入学前夜2
文字数 915文字
冒険者のお姉さまへ
ずっとお姉さまの料理が世界で一番おいしいんだって思ってたけど、ごめんなさい。一番は他にありました。
世の中にはあんなにおいしい料理があるんだって初めて知ったよ。
あまりにおいしくて、ついおかわりまでしちゃったもん。
イーサもおいしいって言ってたから私の勘違いじゃないと思うんだ。
明日からのご飯も楽しみだよー。
食事の後はイーサといっしょにお風呂にも入った。
お風呂って初めて入ったんだけど、いっぱいのお湯が大きな桶っていうか浴槽ってところに張ってあるの。しかもどんどん追加されてくるの!
しかも水じゃなくてお湯だよ!
王立学院ってお金持ちなんだねぇ。
あと、服を脱いだイーサはとっても大きなものを二つ持ってました。
なんか女の子としてすごく負けた気がするけど、きっと気のせいだと思う。
だって冒険者のお姉さまも「女の魅力はおっぱいの大きさじゃない!」って力説してたしね。
……そういえば、お姉さまの胸もそんなに大きくなかった気がするなぁ。
ベッドに腰かけて湯冷ましをしながらいろいろ話をしてたんだけど、イーサに促されて横になる。
うわわっ!
知らなかった……ここのベッドってこんなに柔らかいんだ!?
敷いてある布の下にはふかふかのものが置いてある。
私が使ってた寝床なんて干し草の上にシーツをかけたものだったのに。
あれって定期的に干し草を交換しないと体がかゆくなるんだよね。
枕もシーツも真っ白で誰も使ってないみたい。
すべすべだよ! ふわふわだよ! いい匂いがするよ!
こんなところで本当に寝てもいいのかと不安になる。
興奮しているせいかなぁ。
眼が冴えちゃって、とても寝付けそうにない。
荷物から愛用の剣とタオルを取り出して部屋を後にする。
食事に行く途中で人があまり来なさそうな場所があったから、あそこで素振りでもしようっと。