授業:ブレイド3

文字数 963文字

ここまでだ。

相当鍛錬を積んでいるな。ガードの特性を活かしたいい動きだったぞ

 学院が一年生にいろんな武具を試させるのはそれが理由だ。

 異なる属性の武具でもトゥシスのように応用ができる。そこが大事なんだよね。

ありがとう、ございます……
 私たちの所へ戻ってきたトゥシスは肩で息をしていた。

さすがは近衛騎士の撃剣師範だ。手を抜かれているのに何もできなかった。

あんなバケモノ、道場にもいなかったぞ

そうね。

でもそんな人の攻撃をすべて受けきったトゥシスもかなりのものだと思うわよ

遊ばれていただけだ。実力の差がありすぎる。

でも届かない距離じゃない

 おー、すごい自信デスネ。

 でもそれを裏付けるだけのものを見せていたのも確かだった。

次だ
はい!
サダーシュ。しっかりね
うんっ

 さて、魔獣相手にしか剣を振るったことのない私の剣がどこまで通じるかな。

 ここまで生徒が誰一人として傷ついていないのは呆れるほどの力量差が先生との間にあるからなんだよね。

サダーシュ=シュラインベースです
入学式で話題になった奴だな。

能力が不安定だろうが気にするな。今は全力でかかってこい

はいっ

 腰から愛用の剣を抜く前に、屈伸をしながら頭の整理をする。

 どのぐらいの相手を想定して戦えばいいのかなぁ。

 今までの様子を見てた限り、ワイルドボアよりは強くてサーベルウルフより弱いぐらい?

 ただし生徒相手でかなり手加減をしているんだけど。


 腰をあげて、ぐーと背伸びをする。

 首を左右に振ってリラックス。

 さて、と。

 腰の剣に右手を添える。

いきます

 宣言をしてから一歩目を踏み出した。

 ドンという音をその場に残して距離を詰める。

何ィ!?

 驚きに目を見開いた先生の顔を観察しながら牽制の一撃目。

 剣を狙って放ったけど空振りしてしまう。

 視線を下へ向けると、先生がしゃがみこんでいた。

 でも完全にバランスが崩れているからあそこからは攻撃できない。

 それを確認してから前蹴りを放つ。

ぐぬぅ

 腕を前でクロスさせて直撃は防がれた。

 それでも衝撃で腰が浮いているから十分。

 地面に切っ先が届くぐらいの位置から空へ突き上げるような一撃を放つ。

フンッ!

 上体が流れているのも構わず、先生は後ろに体を投げ出して地面に転がった。

 そのまま勢いを殺さずに距離をとる。


 私は足を止めて先生の動きを観察していた。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

サダーシュ=シュラインベース

本作の主人公。ブレイドユースなのだが愛用の使い古しの剣でしかその実力を発揮できないでいる。ただしその剣で戦う時は誰よりも強い。


イーサティア=ニアステリア

王都で困っていたサダーシュを助けてくれた女性。サダーシュと同じく学院に所属する。

ブレイド、ブロウ、スラスト、マジックの4つのユースを持つフォーユース。

トゥシス=アズウェイ

イーサと一緒にいた美男子。サダーシュに対してどこかトゲトゲしい感じがある。

ブロウとガードのダブルを持つ。

カーモリア=アナディール

王立学院の学院長。

ニシキーン=ネオビューズ

学院でブレイドの師範をしている。

央国五剣の一人。

ケントール=フィルマウス

学院でガードの師範をしている。

男子に対して特殊な趣味を持っているもよう。

ジュリウス=リベスパーン

学院でマジックの師範をしている。

方術具の制作者としても著名。

ゴウローン=フラマウンス

学院でブロウの師範をしている。隻眼。

シンゴラス=リースバリー

学院でスラストの師範をしている。

ジンバルク=アプキャッスル

サダーシュたちの担任でありマジックユース。

方術よりも古の神秘である魔法に傾倒している。

ハージェシカ=イーツテリア

学院生徒の一人。女性だがしゃべり方がそっけない。

ブレイドとブロウのダブルユース。

ハヤード=アンウィスト

学院生徒の一人。

スラストのユースで弓を得意とする。

ケインズ=サウスマウンズ

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

マジックのユース。

ゲンザール=スプラウェル

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

ガードのユース。かなり年配。

シンハース=ロンストア

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

ブレイドのユース。

ヘイステイシア=ウィスホール

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

ブロウのユース。


レフターナ=フィルパディ

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

スラストのユース。

汎用男性1

汎用男性2

汎用男性3

汎用女性1


汎用女性2

汎用女性3

モンスター

描写に合わせて適宜ご想像ください。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色