教師陣1-2

文字数 962文字

方術は誰でも使えて便利なものだが、方術印がなければ何もできないのが俺は気に入らん

 ゴウロウンはグラスをあおって空にする。

 もちろんゴウロウンも簡単な方術ならば行使できるが、方術印を持ち歩かないので普段は全く使わない。

 方術師の強さとはどれだけ高性能の方術印を持っているかどうかだと揶揄されるのも仕方がないと考えるクチである。

それは正確ではありません。誰でも方術が使えるとは限らないのです。方術を先天的に使えない人は本当にいるんです。

亜人の中では特にドワーフたちが苦手にしています。彼らは世界に対してボクたちとは異なる理論を持っているために方術を受け入れることができないというのが定説です。

実際にドワーフで方術師というの人をボクは知りません

 喉を潤すためにワインを口に含む。

ボクだって資料の上では知ってました。知っていましたけど、実際に方術が使えない生徒に会ったのは今日が初めてだったんです。

だってここに来る生徒はみんな優秀で、方術印さえあれば使える子ばかりだったんですから……はあ

 ため息からは酒の匂いがする。

気軽にこれからの訓練で使えるようになりますなんて口にしてしまいましたけど、現実としてこの世界には方術が全く使えない人がいるんです。

彼女がそうだとしたら、ボクはなんて残酷なことを口にしてしまったんだ……

 深い悔恨がジンバルクを苛んでいた。
その生徒は誰なんだ
ブレイドのサダーシュ=シュラインベースです
 名前を聞いて当人の顔を二人とも思い浮かべる。
真面目な生徒だな。

ブロウユースではないからセンスは欠片もないが

あれだけ方術を必死に勉強する生徒は久しく見ていない。

たしかに方術はまったく使えなかったな

 散々な評価である。だが事実でもある。

あれから彼女のことを調べてみましたが、わかったことはわずかしかありませんでした。

まず彼女が暮らしていたというディープティールの森の周辺に村は存在しません。少なくともボクには調べられませんでした

どういうことだ。

ユースであると確認した者が学院に推薦するのが基本だろう。推薦者はどこで見つけてきた

 ジュリウスが驚くなど珍しいことがあるものだとグラスを傾けながらゴウロウンは思う。

 長い付き合いだが、彼がこんな風に驚いたのはケントールが小柄で美人の嫁を迎えたのを知った時以来ではないだろうか。

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登場人物紹介

サダーシュ=シュラインベース

本作の主人公。ブレイドユースなのだが愛用の使い古しの剣でしかその実力を発揮できないでいる。ただしその剣で戦う時は誰よりも強い。


イーサティア=ニアステリア

王都で困っていたサダーシュを助けてくれた女性。サダーシュと同じく学院に所属する。

ブレイド、ブロウ、スラスト、マジックの4つのユースを持つフォーユース。

トゥシス=アズウェイ

イーサと一緒にいた美男子。サダーシュに対してどこかトゲトゲしい感じがある。

ブロウとガードのダブルを持つ。

カーモリア=アナディール

王立学院の学院長。

ニシキーン=ネオビューズ

学院でブレイドの師範をしている。

央国五剣の一人。

ケントール=フィルマウス

学院でガードの師範をしている。

男子に対して特殊な趣味を持っているもよう。

ジュリウス=リベスパーン

学院でマジックの師範をしている。

方術具の制作者としても著名。

ゴウローン=フラマウンス

学院でブロウの師範をしている。隻眼。

シンゴラス=リースバリー

学院でスラストの師範をしている。

ジンバルク=アプキャッスル

サダーシュたちの担任でありマジックユース。

方術よりも古の神秘である魔法に傾倒している。

ハージェシカ=イーツテリア

学院生徒の一人。女性だがしゃべり方がそっけない。

ブレイドとブロウのダブルユース。

ハヤード=アンウィスト

学院生徒の一人。

スラストのユースで弓を得意とする。

ケインズ=サウスマウンズ

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

マジックのユース。

ゲンザール=スプラウェル

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

ガードのユース。かなり年配。

シンハース=ロンストア

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

ブレイドのユース。

ヘイステイシア=ウィスホール

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

ブロウのユース。


レフターナ=フィルパディ

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

スラストのユース。

汎用男性1

汎用男性2

汎用男性3

汎用女性1


汎用女性2

汎用女性3

モンスター

描写に合わせて適宜ご想像ください。

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