授業:マジック1
文字数 867文字
いつものように並んで朝ご飯を食べながら、修理に出していた剣が代表選考戦に間に合うと思うって話をしておいた。
これできっとイーサの力になれると思うよって言ったら、また抱き着かれてしまってみんなの注目を集めちゃったんだけどね。
男子からうらやましそうな視線を向けられていたんだけど、気のせいではないはず。
ふふふ。大事な友達のイーサは男子になんて絶対に渡しませーん。
みんなに見せつけるようにイチャイチャしてたら、離れた席のトゥシスがすごい目で睨んでいるのに気が付いてしまった。
今後は人目のある場所では控えるようにします、はい。
そう言いながらイーサが胸を張ると豊かなものがぷるんと揺れる。
くっ、格差社会っていうのはこういうことなんだね。私は心の中で血の涙を流していた。
※ ※ ※
マジックの授業は私だけ別メニューになっている。
方術が一つも扱えないんだから仕方がない。
訓練場では派手な音や光が飛び交っているけど、私の周りだけはとても静かだ。
だって今日も方術は成功していないから。
机の上には桶が二つある。
一つは空で、一つには水が満たされていた。
紙に描かれた方術印は水を集める集水という方術が込められている。
方術を発動させるにはイメージが大切。
だからこの方術の練習をする際に、私は片手を水の入った桶に突っ込んでいる。
手で水を実感しながら方術を発動させることで成功率を高めるこの練習方法は、マジックユースの授業を受け持つジュリウス先生に教えてもらったものだ。