王都3
文字数 954文字
うん、もうおいしそうな匂いはしなくなった。
そのかわり、なんか臭いかも?
さっきまでいた場所に比べると、どことなく薄汚い感じがする。
ゴミが散らかっているし、壁にもたれて座っている人の表情は暗い。
後ろから急に声を掛けられて慌てて振り返る。
身なりのよさそうな三人組のお兄さんだった。
もしかしてこの人たちがスリなのかな?
でも笑ってるし、悪い人には見えないような……。
よかった。やっぱり私の早とちりだったみたい。
さっきおじさんが困っているときにもすぐに助けてくれた人がいたし、このお兄さんたちも優しいんだ。
お兄さんたちが顔を見合わせている。
もしかして私が本物のユースなのか疑ってるのかな?
ポケットにしまってある王立学院の招待状を見せる。
王都に住んでる人ならきっとわかってくれるよね?
やっぱり、この人たちはいい人たちだった。
きっと王都にはいい人ばっかりいるんだね。
着替えとかしか入ってないしね。
っていうか、男の人に自分の着替えを持ってもらうのはちょっと恥ずかしいっていうか。