アーツの実力3
文字数 744文字
無事に次の朝を迎えることができた。
部屋のドアを開けたら寝ずの番をしてくれていたジュリウス先生の背中に思い切りヒットさせてしまい、朝から頭を下げることになっちゃったんだけどそれはそれとして。
私自身は方術対抗のアミュレットに効果がなかったことは先生の不手際なんて思っていないけど、そのことについて何度も頭を下げられるので、今朝のことと相殺で納得してもらった。
真面目な人だよね、ジュリウス先生って。
ハヤード君は昨夜の騒動について何も知らないみたいだけど、男子寮だし仕方ないよね。
一方、勘のいい女子は何人かいたようで、私たちのチームにも一人いた。
朝一番で私たちの部屋にやって来て話してくれないと梃子でも動く気はないと宣言をしたハージェシカさんにはざっとしたあらましだけ話してある。
ハージェシカさんにしたのと同じ説明をする。
ただし妖人族の代わりに盗賊が入り込んだってことになっているけど。
そしてたまたま部屋の外を出歩いていて賊の姿を見かけた私が騒いだので逃げて行ったという話になっている。
我ながら白々しい。
もともとウソをつくのって苦手なんだよね。
そういえばトゥシスからはなにも聞かれてない。
イーサから事情を聞いているから、今更必要ないのかな?