刺客2
文字数 947文字
すかさずトゥシスが大声をあげた。
ゴッパチに耳が付いているのか外見ではわからないけど、一体がトゥシスへ向かう。これは予定通り。
でもね、トゥシスの武具でなます切りにはできないと思うよ。
残った二体がトゥシスに向かわないように距離を詰める速度を上げる。
ゴッパチは私を挟み込もうと広がるように移動する。
それなら近い方から片付けさせてもらおうかな!
ざぁと土くれが集まって壁を作る。
その程度の壁で私とザンヤの衝撃刃が止まるはずがない。
なにもなかったように斬撃は土壁を突き抜け、そのままゴッパチの脚をまとめて斬り飛ばした。
前の戦いでわかったこと。
ゴッパチは五本の腕に異なる武具を持っているのでどの距離でも戦うことができる。方術を複数扱える。体のキレは悪くない。適した武具を巧みに操る技術もある。
でも足の数が多いせいか移動速度はそこまで速くない。
それだけはっきりした弱点があるのならいくらでも手はある。
二体程度なら同時に相手にしたって勝てる!
足を斬り飛ばした方は放っておいて、もう一体に駆け寄る。
迎撃するように長柄槍が連続で突き出されるけどザンヤですべて弾き飛ばす。
ガィン!という鈍い音。柄の半分あたりで切断する。
これで中間距離の手を奪った。
懐に入って剣をはじき、メイスをかわす。
近接用の武具を持った二本の腕が動くのを見てから別の腕を付け根から斬った。
杖を握っていた腕が地面に落ちた。
これでこのゴッパチは離れた場所への攻撃はできなくなったはず。
方術の反応。横に飛ぶ。
私がいた場所へ稲妻が降り注いだ。
反応できなかったゴッパチがその場で悲鳴をあげる。
焦げ臭い。全身からいくつもの煙を上げている。
仲間もろとも方術を使ってくるなんて、妖異って人の心がないよね。
いやまぁ、人じゃないんだけど。
でもおかげでチャンスが生まれた。
稲妻のダメージで身動きが取れないゴッパチを先に仕留める。
地面を蹴ってそのまま相手の脇をすり抜ける。
盾をかざす前にザンヤを一閃し、腰のあたりから真っ二つにする。
これで一つ!