手合わせ4
文字数 884文字
私とトゥシスの言い合いを、イーサとケインズ君は微笑ましいと言いたげに見守っている。
あの、なんか勘違いしてないですか?
むきー!
あんたはいちいちまぜっかえさないと気が済まないの!
三人が私のわからない会話をしている。
できれば私も話の輪に加えて欲しいなー、なんて。
ケインズ君もさりげなく「バケモノじみた」とか言わないで。悲しくなってくるから。
私だって女の子なんだよ? 今の女の子に言う言葉だと思う?
ニシキーン先生との手合わせを全員が終えてから、学院が用意している様々な剣に触らせてもらった。
愛用の剣に似た形の剣もあったんだけど、それだとピンとこないだよね。
長さも形も様々な剣を触らせてもらったのにどれも似たり寄ったり。つまり使い物になりそうになかった。
それを見ていたニシキーン先生は笑いながら「貴様はそれでいい」なんて言ってくれたけど、剣一本しかまともに使えないとか今どきの騎士として失格じゃないですか。
うーん、そういうものなのかなぁ。
私にはちょっとわからないや。
※ ※ ※
その夜のこと。
……