お誘い1
文字数 1,038文字
決して止まることのない、文字通り息もつかせぬ連続攻撃。
ただ力任せに剣を振っているように見えるかもしれないけど、隙なんてどこにもない。
間断のない剣戟によって形成された、まさに剣の結界なんだから。
この剣が届く範囲であればどんなものでも両断する決意で振り続ける。
馬鹿力でもいいんですぅ~。
ガードの上からでも遠慮なく叩き続けていれば、やがて根を上げるのは火を見るよりも明らかなんですぅ~。
ガンガンガンと鈍い金属音が連続して鳴り響く。
剣と手甲が触れ合うたびに火花が散る。
ギャラリーが好き勝手言ってくれてるけど、防御力が極端に高い相手にはこれが一番いい対処方法なの!
ロックタートルとかスチールトレントとかね。あいつらって滅茶苦茶硬いんだから!
トゥシスの前面は剣の暴風圏域にある。
この状態にある限り、前に出るのも後ろに下がるのも不可能だ。
いやね、本当にトゥシスはすごいと思うよ。
左手にしか手甲をしてないのに右側への攻撃にもちゃんと対応してるし、たぶん、ブロウとしてカウンターを狙おうと思えばいつだって入れられたと思うけどそれはせずに受けに徹してたしね。
ガードユースとしてどれだけ護衛ができるのかを見せる場だからそれで正しいんだけど、普通はチャンスがあったら自分から攻撃したくなるものだもんね。
つまりそれをしないだけの冷静な判断力と、私の攻撃を耐え切れると自分の技量を信じ抜く精神力がトゥシスにはあるってこと。
戦いにおいて冷静であることはとても大事だ。
どんな相手であっても、想定外の事態になったとしても、冷静であれば対処することはできる。
トゥシスは強い。
自分の持つガードユースのダブルという強みをよく知っているし、冷静に戦えているし、相手の動きを観察する目だって持っている。
それでも圧倒的な攻撃力の前だったらどうだろうね?
五分ぐらいそうして斬り続けていた。斬るっていうか叩く感じなんだけど。
金属音はガガガガガガって連続したものになっている。
しかも火花が飛びまくり。なんだか楽しくなってきた♪