代表選考戦2
文字数 1,114文字
でもここ数日の夜のことはよく覚えてないんだよねぇ。
日課をこなすために部屋を出て、それから……どうしたんだっけ?
既に準備を終えたハージェシカさんも会話に加わる。
今日のために彼女が用意した武具は右手に硬鞭、左手にサイドハンドルバトンという組み合わせだった。
ハージェシカさんはブレイドとブロウのマルチユースだから剣の感覚で使える硬鞭で相手をけん制しながら防御もできるサイドハンドルバトンで戦線を維持する形で戦うことになっている。
ちなみにイーサは身長と同じぐらいある長いスタッフを持っている。
いざとなれば杖術にも使える武具だ。
もっとも護衛役にトゥシスがいるのでこれまでの練習試合ではほとんど出番がなかったんだけどね。
トゥシスは左手に艶を殺した黒色の長手甲を装備している。私が以前壊しちゃったあれだ。
心なしか表面にあった文様が簡単になっている気がするんだけど……もしかして完全には元に戻らなかったとか? 悪いことしちゃったかなぁ。
とっても失礼なことをトゥシスがのたまった。
全員の冷めた視線がトゥシスに向けられる。
だけど鉄面皮が変化することはない。
私たちの初戦の相手はツグース君たちのチームだ。
マジックユースで王役のツグース君を中心にまとまったチームだけど、戦闘力と言う面では私たちより数段落ちる。
でも油断は禁物。やるからには絶対に勝たないとね!