魔法使いからの誘い4
文字数 1,257文字
夕刻。町の外灯には明かりが灯り始めていた。
外灯は発光の方術具が使われていて、素養がある人なら誰でもつけられるものなんだって。やっぱり方術って便利だよね。
私はハージェシカさんと二人で町まで食事をしに来た。
このお店は前にイーサたちと来たところだ。ここのご飯って美味しいよね。
私が遅れて訓練場へついた後のことだ。
イーサは今日の練習試合は中止になったと告げてトゥシスとケインズ君を連れてどこかへ行ってしまった。
残っていたヘイズたちは軽い怪我をしていたこともあって医務室へ向かい、ハヤード君も一人で訓練してくると言い残して行ってしまった。
なんの説明もなく取り残された私にハージェシカさんが声をかけてくれたのでこうして町へ出てきたんだけど。
大人だなぁって思っただけで。
実は同い年なんだけどね。
親睦会の時は失敗しちゃったから気をつけないと。
店員さんがテーブルに置いたグラスには赤くて半透明な液体が入っている。
圧倒的だった。
ケインズたちは決して弱くはない。だが成すすべもなかった。むしろあの程度ですんだのは手加減してくれたからだろう。
もしあの場にサダーシュがいて私たちのチームが戦ったとしても結果は同じだったはず。
上級生は強い。私たちが思っている以上にだ
そんな……私たちの勝ちパターンはトゥシスがイーサを守り続け、その間に攻撃陣が相手の王を落とすというものだ。
トゥシスがイーサを守るっていう前提が崩れたら私たちに勝ち筋はない。
なんか意外かも。
ハージェシカさんってどことなく飄々としてて、成績とか気にしてないタイプなのかなって思ってたから。