授業:ブロウ1
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今日のブロウの授業ではサイドハンドルバトンという打撃と防御に使える武具を練習している。
肘の長さぐらいの棒を左右の手にそれぞれ持って使うんだけど、棒の片方の先端近くに取っ手が垂直に付いているちょっと変わった形の武具だった。
取っ手の部分を握って棒を回転させて殴ったり、リーチを伸ばして突いたり叩くのが主な使い方。
防御の時は取っ手の部分を持って籠手のように肘を覆って相手の攻撃を受け止めることができる。
この手の防御と打撃を兼ねる武具だとトゥシスは本当に生き生きする。
授業中なのに「あははははははは!」みたいな楽しそうな笑い声が聞こえてくる気がするほどに。
もちろん本物のトゥシスは笑顔なんか見せないで、いつも仏頂面だけど。
容赦なく打ち込んでくるから、実は血も涙もない妖人族なんじゃないかと密かに疑っているんだよね。
でもトゥシスの性格で手加減なんて無理かと思い直す。
っていうか、なんでいつも私が相手をしているんだろう。トゥシスぐらいの実力なら他の人とやった方が得られるものも多いと思うんだけど。
授業中は怪我をしないように要所を覆うプロテクターを身に着ける。
それには防護の方術が付与されているんだけど、叩かれたらやっぱり痛いし、プロテクターがないところに当たると悶絶するぐらい痛い上にアザにもなる。
学院に入学してからというもの、玉のようなお肌が斑になってるんだよね。
こんな体だけどお嫁にもらってくれる人はいるのかなぁ。
同じチームのハヤード君はストラトなのでブロウの授業は苦手にしているのがわかる。
でもどんな武具でも前向きに取り組んでいて、その熱心さはゴウローン先生も認めるほどだ。
そういえばそうだった。そしてそれをボロボロにしたのは私でした。
私たちの武具の修理費は学院が出してくれることになっていて、代表を決める試合までには戻ってくる予定だと聞いている。
ただちょっと調べたいことがあるから時間がかかりそうだって言われてるんだよね。
あの剣じゃないと足を引っ張ることしかできないから早く戻ってきて欲しいなぁ。