授業:ガード4
文字数 825文字
よし、言質は取った。ちょっとだけ本気出すよ!
ぶらりと下げた剣を小刻みに揺らしてリズムを取っているフリをしつつ、足の動きは微妙にタイミングを変える。普通に歩きながら距離を詰めていく。
ちょっとした違和感を視覚情報に与えることで混乱を誘い、意識のズレを強制的に作って攻撃を仕掛ける。
剣の届く距離になった瞬間、上段から斬りかかると見せかけるために大きく剣を振り上げる。
大振りだから普通はフェイントを警戒する。でもそのまま振り下ろす。
トゥシスは左足を下げ体をひねって斬撃をさける。
手首を返して振り下ろす軌道を強引に横凪ぎに変える。高さは首の位置。
左腕の手甲で受けようとしたので、剣の軌道をさらに変えて首の高さから腰の高さへ。
トゥシスの肘が下がって剣を受け止める――と思わせた時には剣を引いて右回りに旋回しながら剣の軌道を再び首の高さにして振り抜く。
右腕には手甲がないのでガードは間に合わないと判断したのか膝を曲げてやり過ごそうとしている。
ちょうどいい高さに顔があるので回転の勢いそのままに左足の膝を叩き込んだ。
狙いはバレバレだったみたいで、手甲でしっかりガードされてた。
足一本でけんけんしながら距離を取る。
うぅ、膝小僧が割れちゃったかと思ったよ……。
あ、今のはカチーンときた。
絶対に後悔させてやるんだから!