授業:スラスト2
文字数 885文字
練習用の服に着替えて屋外へ移動する。
要所にプロテクタが付いているこの服には防護の方術がかけられているので、よほどのことがなければ大ケガはしないんだって。
訓練場には柔らかい土が敷き詰められていて、転がっても痛くなさそうだった。
周囲は円形に柵で覆われている。広さは直径で30メートルぐらいかな。
訓練場の中央には、すらりとした体つきのシンゴラス先生が腕組みをして待っていた。
真ん中で分けた少し長めの髪のせいか遠目では女性に見えなくもない。
もっとも近くで見ると目つきが鋭すぎてその印象は粉みじんに砕かれちゃうんだけどね。
スラストは刺突属性とも言う。ブレイドほどではないとはいえ、スラストもかなり幅が広い属性だ。
例えば剣ならばレイピアやエストックのような刺す動作が基本となるものも扱えるし、槍や弓もこの属性に含まれる。オレ自身も槍よりは弓が得意だ
何故ですか!?
俺は弓に絶対の自信があります。一昼夜の通し矢で一万本の矢を放ち、八千本を命中させたことだってあるんです。今ならもっと当てられます!
俺は弓の力を高めるためにここへ来たんです。弓を使うなというのは納得がいきません!