教師陣1-4

文字数 966文字

アーツなんてそれこそ魔法みたいなものだ。

不確かで誰も実在したことを誰も証明できん

 項垂れていたジンバルクの頭が勢いよく上がる。
そうだ! そうですよっ。

なんでこんな簡単なことに気が付かなかったんだ。こうなったらこれしかないじゃないですか!

 叫んだジンバルクは椅子から立ち上がる。
こういう時こそ魔法です! 

魔法を彼女がマスターすれば方術なんて勉強する必要がありません! 

魔法はまさに奇跡! その奇跡を彼女が体験すれば失敗も懐かしい過去となるはずっ

 拳を握って演説する。

 聞かされる同僚二人は呆れていた。

早速、彼女には魔法の個人レッスンを提案してみましょう。

彼女に魔法使いの弟子になってもらうんです!

 熱弁を振るうジンバルクを二人はジト目で見る。
やめておけ。

これ以上、犠牲者を増やすな。アーツと同じで魔法なんかあるものか

 魔法とはこの世界でいまだに認められていない理論である。

 この名称が歴史に登場したのは古い。以前から理論はあるとされていたが実現できた者がいないのだ。


 方術と異なり、呪文という文言を唱えることで異なる世界から力を引き寄せ効果を具現化させる体系が魔法だとされている。

 しかし、マジックユースの大家ジュリウスですらその理論の正しさが理解できないでいた。


 故に魔法は学問として認められていない。

 現時点ではジンバルクのような時折『憑かれる』者たちの妄想に過ぎないとされる。

違います! 魔法はありまぁす! あるんです!

そして魔法が使えればすべてノープロブレム! 彼女の問題は解決するんです!

 こうなると行き着くところまで放っておくしかない。それを付き合いの長い二人は知っている。

実はですね、最近、魔法についてのいい資料が手に入ったんです。ちょっと高くて給料半年分ぐらい突っ込みましたけど後悔はしていませんっ。

あ、というわけでここでの支払いは割り勘でお願いしますね

 だがちゃっかりしているところは相変わらずであった。

 こうして元気になってくれたのなら当初の目的は果たせたと言える。

 ただし魔法などという与太話に生徒が巻き込まれないよう止めなければならないが。

待っていてください、サダーシュ君! 

ボクが君のために最良の魔法習得カリキュラムを組んであげますからね!

 その時、サダーシュが悪寒を感じたとかいないとかはまた別の話である。
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登場人物紹介

サダーシュ=シュラインベース

本作の主人公。ブレイドユースなのだが愛用の使い古しの剣でしかその実力を発揮できないでいる。ただしその剣で戦う時は誰よりも強い。


イーサティア=ニアステリア

王都で困っていたサダーシュを助けてくれた女性。サダーシュと同じく学院に所属する。

ブレイド、ブロウ、スラスト、マジックの4つのユースを持つフォーユース。

トゥシス=アズウェイ

イーサと一緒にいた美男子。サダーシュに対してどこかトゲトゲしい感じがある。

ブロウとガードのダブルを持つ。

カーモリア=アナディール

王立学院の学院長。

ニシキーン=ネオビューズ

学院でブレイドの師範をしている。

央国五剣の一人。

ケントール=フィルマウス

学院でガードの師範をしている。

男子に対して特殊な趣味を持っているもよう。

ジュリウス=リベスパーン

学院でマジックの師範をしている。

方術具の制作者としても著名。

ゴウローン=フラマウンス

学院でブロウの師範をしている。隻眼。

シンゴラス=リースバリー

学院でスラストの師範をしている。

ジンバルク=アプキャッスル

サダーシュたちの担任でありマジックユース。

方術よりも古の神秘である魔法に傾倒している。

ハージェシカ=イーツテリア

学院生徒の一人。女性だがしゃべり方がそっけない。

ブレイドとブロウのダブルユース。

ハヤード=アンウィスト

学院生徒の一人。

スラストのユースで弓を得意とする。

ケインズ=サウスマウンズ

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

マジックのユース。

ゲンザール=スプラウェル

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

ガードのユース。かなり年配。

シンハース=ロンストア

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

ブレイドのユース。

ヘイステイシア=ウィスホール

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

ブロウのユース。


レフターナ=フィルパディ

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

スラストのユース。

汎用男性1

汎用男性2

汎用男性3

汎用女性1


汎用女性2

汎用女性3

モンスター

描写に合わせて適宜ご想像ください。

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