教師陣1-4
文字数 966文字
拳を握って演説する。
聞かされる同僚二人は呆れていた。
魔法とはこの世界でいまだに認められていない理論である。
この名称が歴史に登場したのは古い。以前から理論はあるとされていたが実現できた者がいないのだ。
方術と異なり、呪文という文言を唱えることで異なる世界から力を引き寄せ効果を具現化させる体系が魔法だとされている。
しかし、マジックユースの大家ジュリウスですらその理論の正しさが理解できないでいた。
故に魔法は学問として認められていない。
現時点ではジンバルクのような時折『憑かれる』者たちの妄想に過ぎないとされる。
だがちゃっかりしているところは相変わらずであった。
こうして元気になってくれたのなら当初の目的は果たせたと言える。
ただし魔法などという与太話に生徒が巻き込まれないよう止めなければならないが。