教師陣2-1
文字数 935文字
王立学院で教鞭をとっているブレイド教師のニシキーン=ネオビューズとガード教師のケントール=フィルマウスは教員たちにあてがわれている部屋で一振りの剣を前にしていた。
黒い刀身をした両刃のそれは何度も砥がれたせいでかつての形をすでに失っている。
持ち主の話によると最初は60センチはあったようだが、今では40センチほどになっていた。
目蓋を閉じれば今でも容赦のない流れ落ちる滝のような連続した剣の攻撃と、それを時にさばき、時に受ける岩のように堅牢な防御する姿を思い浮かべることができる。
もうこれだけでご飯三倍はいただけた。濡れるッ。
ケントールの申し出をジュリウスは一言で切って捨てる。
なお、ケントールの小柄な幼な妻は料理自慢だと同僚内では有名である。毎日、手の込んだ愛妻弁当を持ってくればわからないはずがない。