代表決定3
文字数 1,171文字
試合前のトゥシスの指示通り、私は森が多い訓練場をまっすぐに走り抜ける。
途中で遭遇したブロウのシントリアさんは剣の腹で殴って伸しておいた。
少し開けたところに出る。
そこには王役であるヨシリアム君と女の子が三人いた。
彼の前にブレイドのユウリーンさん、スラストのジョアンナさん、ガードのマーサさんが壁を作る。
役割だから仕方ないけど、みんな女の子なんだよねぇ。
飛び上がって壁役三人の少し前を狙って剣を振り下ろす。
まるで地面が爆発したみたいな音。
同時に大量の土砂が同心円状に放たれる。
ヨシリアム君は入学した日からなにかと絡んできて面倒な人だ。
嫌われてるみたいだからなるべく接点を持たないようにしてたんだけど、あっちからちょっかいかけてくるし。
彼を守っていた三人が起き上がる様子はない。致命的なケガもしてないはず……たぶん。
一歩距離を詰める。
森でうっかり魔獣と目があっちゃったみたいな顔しないでもらえる?
女の子としてすごく傷つくんだけど。
もう一歩足を進めて剣を構える。
なんだかあっさりしすぎてて実感が伴わない。
振り返ると私の背中をカバーしてくれていたハージェシカさんが走ってこちらへ向かってくるところだった。
そのさらに後ろからはハヤード君とトゥシス、それからイーサが走ってくるのが見える。