入学式2
文字数 1,165文字
入学式は広い講堂で行われた。
前方に一段高い場所があって、次々偉い人が立って話をしていく。
私たちは演台に向かい合う形で半円状に並ぶ椅子に座っている。
右隣にイーサ、左にはなぜかトゥシスがいた。
ありがたいお話をしてくれているんだろうけど、ちっとも面白くない。さっきからあくびをかみ殺すのが大変だった。
私はおじさんに水見の儀というのをやってもらって、自分にユースの能力があるのを知った。
この儀式は水の入ったコップみたいなものを持つ人に対して特別な方術を使うことでユースのあるなしがわかる儀式だって聞いたんだけど。
名前を呼ばれた人が神妙な顔をして演台に上がって上着の袖をまくる。
彼の正面に立つ派手な扇子を持った女性は差し出された腕を見て、満足そうに頷いていた。
だって話が長くて退屈だったんだもん。
学院長が剣、槍、槌、盾、杖の順番で生徒の前にかざしていく。
正確には方術の効果が高くなる、かしら。
物見の儀では五つの属性を象徴する武具をかざして、その人にどの武具が向いているか判断するの。
ブレイドユースだと思って剣ばかり使っていたけど、物見の儀で調べてみたらハルバートみたいなポールウェポンの相性に優れていたスラストユースだったなんてこともあるからね
私は愛用の剣の時しか動きがよくないから、ブレイドで間違いないと思うんだけどなぁ。
次々に名前が呼ばれて、それぞれの特性が明らかになっていく。
席の後ろからそんな声が聞こえてくる。
私が口を開く前にイーサが説明してくれた。