練習試合3
文字数 904文字
それからはチームでの戦い方に時間を費やしていった。
本番は今月末。対抗戦本番まであと3週間もない。
結局、4チームが結成された。
どのチームも五つの属性が一人いる構成だ。バランスとしては同等。でもマルチユースを三人も擁する私たちが一番だろうと目されている。
チームが結成されてからは五種類の武具の授業以外にチーム戦での練習試合をやるようになった。
そうしてチームとしての戦い方を学んでいくってわけ。
私の前にハージェシカさんの体が滑り込んでくる。
両手に持った棒状の硬鞭を構え、相手の攻撃を受け流してくれる。
私が倒れている場所を中心に円形の陣が構築されていく。
パーンという音と同時に光が散る。
イーサが構築してくれた防御陣に相手の方術による攻撃が命中していた。
な、なに?
なんでこんなタイミングでヘンな声が聞こえてくるのよ。
まさかこれってイーサの方術なの?
そう思って振り返るけどイーサにそんな様子は見られない。
ハージェシカさんの背中から飛び出して、敵の王を目がけて走る。
体が重い。慣れない剣だから思うように動けない。
私の進む先に次々とハヤード君の矢が飛んでいく。
相手チームの王はツグース君だ。
護衛のシュンタークス君はハージェシカさんの牽制で離れている。
これなら倒せる!