お節介1
文字数 981文字
声をかけてきたのは女の子だった。
金色の輝くような長い髪は毛先が緩やかにカールしている。
まるでその年に初めて積もった雪のような白い肌。
体のラインが隠れるフリルやレースがたっぷりあしらわれた服。
まっすぐに向けられる信念に満ちた青い瞳。
なによりもとっても美人な女の子だった。
こんな美人、今までに一度だって見たことがない。
足音を高く鳴らしてこちらへやってくる。
歩いてくる女の子に気圧されたのか、お兄さんたちが後ずさった。
その隙に私は大切な剣を奪い返す。
すごむような声に思わず首をすくめる。
けれど女の子はそんなのどこ吹く風と言いたげに傲然とお兄さんたちを睨みつけていた。
女の子が宣言したと同時に、私の周りに白い煙みたいなものが現れる。
え? なに? なんなのこれ!?
頭がぼぅっとする。
遠くの場所から女の子の凛々しい声が聞こえてくる感じ。
あっ、ひどい!
私の大事な荷物を捨てるなんて!
ぼんやりとした頭のまま荷物にすがりついた。
ああ、柔らかい。
このまま眠っちゃおうかな……。
人が倒れる音が三つしたかと思うと、すぐに静かになった。
次は私の番なのかなって思いながら体を固くしていたんだけど、いつまで経ってもなにも起きない。
ぎゅっとつむっていた目を開くと、傘を肩に担いだ美人さんが私を見下ろしていた。