親睦会1
文字数 1,120文字
イーサの予約したお店はそこまで高級って感じのお店じゃなかったのでほっとした。
ほら、王都っていったらなんかよさげなお店なのかなって思うじゃない。
でも連れていかれたところは町の酒場をちょっとおしゃれにした感じで、奥に個室がいくつかあるようなところだった。
そんな一室を借りきって丸テーブルを8人で囲んでいる。
主宰であるイーサの口上を黙って聞く。
今日のイーサはフリルやレースがいっぱいついた純白のドレスを着ている。
制服を着ない時はいつだってフリルやレースがついた服なんだけどね。普段より五割増しぐらい華美なので、とても華やいだ雰囲気だった。
私もみんなに頭を下げる。
直接話したことがあるのはケインズ君だけだ。落ち着いていて真面目な人っていう印象がある。
他に覚えがあるのはブレイドの授業でシンハース君がニシキーン先生に褒められてたことぐらいかな。
ヘイステイシアさんが女の子で、あとはみんな男性だった。
私はいつだって大人しいわよ。ええ、もちろんよ。
冒険者のお姉さまから「もう大人しくしていたら男の子にモテると思うんだけどねえ」って言われたことだってあるんだからねっ。
実のところ、今は動きたくても動けないんだけどさ。
だってイーサが用意してくれた服の胸元と背中がこれでもかってぐらいに開いてて落ち着かないんだもん。
この服、いきなりストンって落ちたりしないよね?
さすがにそんなところを見られたら恥ずかしいし……ほら、私ってスマートだから前にも後ろにも抵抗が少ないから――ってなにを言わせるのよ!