ダンジョン2
文字数 1,409文字
学院ができる前からあったダンジョンだから古いのも当然なんだけど。
設立されたのは400年ぐらい前だっけ?
切り出されたような大きな石が壁になっていて、飾り気なんてものはまったくない。かろうじて柱の上下に独特の文様が入っているくらいだ。
天井はアーチ状に石が組み上げられているからそれを支える壁の石はかなり厚みがありそうだった。
ダンジョンは成長する。
周辺に漂う様々な要素を蓄えることによって。
それは地下に眠る鉱脈であったり、周辺で生きる生物の精気であったりする。
ダンジョンには中心となる核があって、それが撤去されない限りは成長を続けるんだって。
成長し続けたら地下世界につながったりしないのかな?
少し先に曲がり角がある。
トゥシスは私たちにこの場で待機を命じると、先行して角へ向かう。
私はなにかあったらすぐにでも飛び出せるようにザンヤを抜いて用意する。
これまでのところモンスターに襲われることもなく、トラップもなく、安全で順調な探索行だった。
ちょっと拍子抜けするぐらいに。
思っていた以上に学院長は気さくで話しやすい人だ。
移動中に過去の冒険譚なんかを聞かせてくれた。