代表決定1
文字数 1,155文字
大きなお尻を左右に振る独特の歩き方でケントール先生が近づいてくる。
無意識で半歩だけ後ろに下がったのは許して欲しい。
だってキモいんだもん!
手に取って鞘から抜いてみる。
きれいに磨かれた黒い刀身が露わになった。
記憶にあるより少し短いけど間違いない。
みんなから少し離れて剣を構える。
目を閉じて、ゆっくりと細く長い息を吐く。
それから横凪ぎに一振りしてみた。
ブォンという風切り音。
まるで自分の手のように思い通りの力加減、速度で振ることができる。
遠くでドカンという音がした気がする。
剣を抱えてみんなのところへ戻る。
あれ? なんでみんなそんな顔してるの?
これで私も戦力になれるんだから少しは喜んでよ。
ヘンな破裂音がするなぁって思ったらケントール先生の笑い声だった。
先生、仕草だけじゃなくて笑い方もキモいですよ……。
そういえば壊れた壁はさっき剣を振った先にある。
そっか。思わず衝撃刃を放っちゃってたんだ。
コントロールが上手くいっていないのは腕輪のせいかな? 試合の時は気をつけないと。
ちょっとちょっと!
ハヤード君とハージェシカさんがひどいこと言ってるんだけど!