授業:スラスト3
文字数 1,223文字
弓は触ったことすらないんだよね。
だからハヤード君のことは無条件で尊敬しちゃう。
ほほう。そこで言いよどむってことは自分と同じだけの技量を持つ人は少ないと思っているわけね。よっぽどの腕なんだ。
あそこまで自分に自信が持てるのって、ちょっとうらやましいかも。
戦争とか物騒なお話はやめて欲しいんだけど騎士になったらそういうこともあるんだろうなぁ。
はぁ、今から憂鬱になってきちゃう……。
ハヤード君の視線が泳ぐ。
たしかに手持無沙汰になっちゃうかもしれない。
不承不承って顔をしているけどハヤード君は納得したみたいだった。
っていうか、今までのやり取りってそれをわからせるためのものだったんだ。
むむむ、厳しい人なのかなと思ったけど、意外にシンゴラス先生っていい人なのかも。
いいか。戦場ではひとつきりの武具で戦うということはない。
騎兵であればランスを構えて突進をし、馬の足を止めたら剣を抜いて戦わなければならない。
一つの武具にこだわり技量を磨いていくのもいいだろう。
だがお前たちは一年生だ。今はなるべく多く、属性以外の武具にも触れ、自分の可能性を探していい時期だ
イーサと同じことをシンゴラス先生が言っている。
やっぱりイーサはなんでもよく知っててすごいんだなぁ。