夜の日課3
文字数 1,464文字
くたくたになった体を更衣室の椅子に預けてぐったりする。
ブロウの授業でこってり絞られて、しばらくは立ち上がれそうにない。
打撃系の武器を使うブロウは、こん棒やメイス、長めの棒を使ったり、拳に鉄拳や鉄甲をつけて戦うスタイルだ。
重量武器としてはウォーハンマーみたいなのもあるし、小さいものでは手に握り込んで威力を増す寸鉄のようなものまである。
護りの方術がかかっているプロテクタのおかげで大ケガはしないけど、殴られると青アザができてるんだよね。あとが残ったりしないよね。
イーサの言葉に返事をして着替えを始める。
次の授業は待望の基礎方術だ。
私も使えるのかなぁ。使えるようになれるといいなぁ。
方術の中には自分の肉体を強化できるものもあるそうなので、知っているとなにかと便利そうだしね。
服を脱ぎながら聞いてみる。
ちょうどイーサもシャツを脱いだところだった。
二つの大きなものがぶるんって揺れながらまろび出ていた。
……はぁ。
イーサのってやっぱり大きい。私の顔ぐらいある。
あんなの重くないのかなぁ。
しかもすっごく柔らかそうなんだよね。
きっと指で触れたら「ぷにっ」とか、「ぽよん」ってなるはず。
私のは「ぐに」って感じだと思うんだけど。
目の前にあるんだから自分の手で確認する。
うん、やっぱり「ぐに」だ。
あちこちに殴られて青アザができてる私と違って、イーサの肌にはどこにもあとが残っていない。きれいなものだ。
イーサの肌ってハッとするほど白いんだよね。ハリっていうかツヤっていうか、そういうのが私とは全然違う気がする。
おまけに全体的に曲線で構成されていて、どっちかというと直線で形作られている私とは違う生き物みたいだ。
きっと冬に食べる物がなくてひもじい思いをしたり、流行り病で人が死ぬところを見たり、野盗におびえたり、動物に食糧を荒らされたり、魔獣に襲われるなんていう経験はないんだろうなぁ。
おいしいものをたくさん食べて、温かい部屋でいっぱい寝たら、私もイーサみたいな女の子らしい体になれるのかな?
イーサが腰を折って私の顔を覗き込んでいた。
ちょっと視線を下に向けると、そこには深い谷間がある。
両手を伸ばして、それを下から支えるように触る。
やっぱり「ぽよん」だった。二つあるから「ぽよんぽよん」だ。
しばらく無心で柔らかさを堪能する。
触っていると、とても幸せな気持ちになる。
心地よい重さと手のひらに張り付くような感触。
なんで私にはこれがついてないのかなぁ。
いや、ついてるけど大きさ的にね。
こうして弄んでいるだけで、どんなストレスだってたちどころに解消してしまう気がする。
気が付いたら更衣室には私たち以外は誰もいなくなっている。
私ってば、どれぐらいの時間、おっぱいを揉みしだいてたんだろう。
このおっぱい、時間泥棒すぎるよ!
二人で人気のなくなった廊下を教室へと急ぐ。
楽しみにしていた方術の授業だし、遅刻するわけにはいかないもんね。