入学前夜1
文字数 1,327文字
学院の建物を間近で見上げる。
夕焼け空の色が白亜の壁を彩っていてとってもきれいだった。
こんな立派な建物なんてこれまでに見たことなかったなぁ。
荷物を下ろしているトゥシスに嫌味を言われる。
この人は、いちいち他人を不愉快にしないと生きていけないんだろうか。
それでいて私の荷物をちゃんと持ってきてくれるし。
なんか矛盾してて、こっちとしてもどういう態度をとっていいのか悩むんですけど!
そのご友人って私のことだよね!?
やっぱりイヤな奴ってことでいいんじゃないかな!
あ、また鼻で笑った!
受付っていっても難しいことはなにもなくて、係の人に招待状を見せるだけですんだ。
受付の人がお辞儀をするので私も慌てて頭を下げたら、隣で立っているイーサが笑ってた。
え? 何かおかしいところあったの?
学院は全寮制なので、受付の人が寝泊まりする部屋まで案内をしてくれるそうだ。
イーサは荷物が多いので受付の人がいくつか持ってくれている。
遅れないように二人の後ろをついていく。
なんだか親しそうにお話をしている。
もしかしたらこの二人は知り合いなのかな?
ぐぅ~。
……あぅ。
お腹が鳴っちゃった。恥ずかしい……。
お腹が鳴っちゃった私に気を使ってくれたんだろうなぁ。
イーサはとってもいい人だ。
部屋は備え付けのベッドや机がそれぞれ三つずつあった。
つまりここは三人部屋ってことね。
学院へ来て早々、友達ができるなんて幸先がいいってやつだよね!
ぐぅ~。
あうぅ、またお腹が鳴っちゃった……。
どんなお料理が出るのかなー。
楽しみ。