第118話

文字数 239文字

 体調が悪くて、ずっと眠っている。ほぼ一昼夜。

 さっき見た夢。
 近所のアパートの自転車置き場に、いつも遊んでいる小さな黒猫がいる。半野良。
 誰かが自転車のかごに、夏はタオル、冬は毛布をしいてあげて、いつもそのかごにまるく入って寝ている。

 その子が、私を見つけて、小さく「にゃ」と鳴いて歩いてきた。しっぽをすらりと立てて。

 その、至福の一瞬。

 それだけ。二秒くらいの夢。

 私は彼女(たぶん雌)を、すずちゃんと呼んでいる。子猫のころ、鈴を首につけていたからだ。
 いまはつけていない。

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