第67話

文字数 211文字

 長い夢の最後の部分。

 真澄さんが、笑いながら、私とTくんをくっつけようとしている。
 Tくんはいまどきめずらしい紳士で、無口でいつも静かに笑っていて、私より二回り若い。

 私も笑いながら、
 そんなことしないでくれたらいいのに、
 と、しみじみ哀しい。

 つと手をのばして、湿り気に曇った空を黒板消しでぬぐうと、

 そこだけすっきり透明になって、
 明るい木の梢が映りこんだ青空が現れる。


※最後の三行は起きてすぐ書いたメモのままです。

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