第121話

文字数 295文字

 友だちの俳優のミヤザキさんが見た夢。
 ミヤザキさん、銭湯へ行こうとして、往来を歩いているのだけど、

 なぜか、すでに真っ裸。

 銭湯に行くのだから、裸でいいはずだ。
 何か問題が?
 と、ひらきなおって歩いていくものの、
 何のごまかしにもなっていないことは、本人がいちばんよくわかっている。

 しかたないから、左手でさりげなく大事なところを隠し、右手でいなせに手ぬぐいを肩に振りあげて、意気ようようと、肩で風を切って、真っ裸で往来を歩いていく。
 のだそうだ。

「舞台に出て、おれだけ台詞を覚えていなくて、てきとうにつないでいるけどまったくごまかせてないよなこれ、という夢と、基本的に同じ」
 だそうだ。

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