第63話

文字数 395文字

 そのつづき。
 木づくりの野外音楽堂のステージの上にいて、それとも教会なのかもしれない。
 いまからコンサートが始まるところ。それともミサなのかもしれない。

 黒髪の小柄な、若い男の人が、パイプオルガンの演奏台(コンソール)に着こうとしている。
 ステージの上にコンソールがいくつもある。
 変。

 オルガニストの若者が、もう一人のオルガニスト(これも若い男性のよう)に、
「18をお願い」
 とささやくのが聞こえ、相手も了解している。
 ああ彼が低音を受け持つのだな、と私は思う。

 これも変。たぶん16のまちがい。オルガンのパイプは4の倍数でサイズが表され、単位はフィート。8が標準で、16はその倍の長さになり、重低音の音域です。
 そしてふつう、連弾はしません。

 いよいよ演奏が始まって、冒頭のメロディとハーモニー、起きた直後は口ずさめるほどはっきり覚えていたのに、いまはすっかり忘れてしまったので残念。
 短調だった。

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