第101話

文字数 385文字

 散骨について、あらためて調べる。(現実)

 前から自分のときは散骨にしてほしいと思っている。
 海でなくていい。りっぱな木の根もとでもなくていい。誰のじゃまにもならないどこかの土に、そっと混ぜてもらいたい。

 焼骨のままでは死体遺棄になるそうだ。2ミリ以下になるまで砕かなくてはならない。
 それも、すり鉢なんかで砕いたら、何時間もかかる上に、やっぱり死体損壊になるそうだ。

 ところが、業者さんが機械で砕いてくれると1時間だという。
 そういう便利な機械がいつのまにかできていた。

 真澄さんが引き受けてくれるそうだけれど、彼を犯罪者にしないように、早めに粉砕機の予約をしておこうと思う。他の予約も。
 ぼくのほうが長生きするから大丈夫、と言ってくれた。

 真澄さん自身の理想は、孤独死だそうだ。
 みんなを見送ってから、ひとりでこっそり死ぬのがいいな。
「猫みたいにね」
と言って笑った。

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