第15話

文字数 269文字

 長い夢の最後の部分。
 
 どこかわからない家の中にいて、ぼんやりと明るい。一軒家ではなくアパートの一室らしいが、広い。
 
 子ども用の学習机の上に私はたくさん物を載せていて、本など。
 母がこまっている。
 机の上にはミシンもあって、いまはこの机は母のミシン用のはずなのだ。
 
 しばらく考えてから私、よし、私が自分の物を載せなければいいのよね、と言う。
 母、ちょっと驚いて、そうね、と言い、それからまた二人ともしばらく黙っている。
 
 いま、だめになってるわね。——これは母。
 最悪よ。——これは私。
 
 部屋には薄い陽が射し、足もとは畳のようだ。

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