第148話

文字数 311文字

 ミヤザキさんの見た夢、もう一つ。
 芝居の稽古に行くのだそうだ。
 なのに、野外。
 映画のロケじゃないの? と訊くと、わからない、と言う。

 照明家のタドコロさんがいて、ちょいちょいと手招きされてささやかれたそうだ。
「なあなあミヤザキ。知ってる? ツジ、死んだよ」

 やっぱり、とミヤザキさんは確信したのだそうだ。
 だって……

「タドコロさんも死んでるからね」

 霊魂を信じる立場からすると、まったく筋が通っている。
 だけど、夢はレム睡眠時に脳細胞(シナプス)間でやりとりされる電気信号の作用だという立場からは、どうなんだろう。


※その後、元気になったツジさんから電話があり、ミヤザキさんはたっぷり嫌みを言われたそうです。予想どおり。

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