第12話

文字数 282文字

 明るい森に囲まれた広いお屋敷にいて、それがアーシュラ・ル=グウィンさんのもとお家。
 みんなでアーシュラさんの伝記の映画を撮るらしい。

 ところが敷地のあちこちに水が、たとえば浅いコンクリートの水槽のようなところに水が溜まっていて、その水を排かすのが大変。みんな長靴を履いている。
 水じたいは澄んでいて、水槽の内側に生えた濃い緑の苔が見える。

 排水作業は大変だけれど、みんな和気あいあいとしていて、アーシュラさんはここで幸せだったのだなあとしみじみ思い、私も幸せになる。

 まわりの森はあまりに明るく、梢が高く、葉が細かい。青空に揺れている。
 竹林だったかもしれない。

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