第131話

文字数 454文字

 眠りに入ろうとして、門をくぐる夢なら何度か見たことがあるけれど、
 さっきからブロック塀の夢を見ている。

 白っぽいブロック塀の崩れたところがあって、根もとにはうっすらと苔がつき、貧弱な雑草も生えている。
 その崩れをまたいで向こう側へ行けば夢の世界なのだけれど、
 さっきから気になっているのは、またいだ裏側(それとも表側?)に、りっぱなドアノブがついているのだ。
 これが飴色につやつやして、ひじょうに素晴らしいドアノブだ。

 うとうとしながらも、ブロック塀にドアノブがついているのはおかしいよねと、さすがに思う。
 ためしに握って引っぱってみると、もちろん塀はびくともしない。ほらね。
 面白くなって、いったんこちら側へ戻ってきて確かめると、やはりこちら側にはドアノブはない。夢の側にしかない。
 もう一度またいで見ると、ドアノブはちゃんとそこにある。

 というのを、さっきからずっとくりかえしている。

 またいだ先のほうは白い(もや)が立ちこめていて、へたをすると足もともよく見えない。


※ほぼ、起きてすぐ書いたメモのままです。

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