第61話

文字数 414文字

 真澄さんがミステリードラマの主役になっていて、私はその恋人役らしい。
 二人で砂礫(されき)を踏んでいく。私はハイヒールで歩きにくい。ふだんハイヒールは履かないから、役なのだとわかる。

 砂礫を踏んで彼に追いついて、私たち、いつもいっしょにいすぎないかしら? と訊くことになっていて、台詞はこれでよかったかなと考えている。
 荒れ野のようだったのが、ふりむくと右手にひなびた駅舎。でも、作り物(セット)なのかもしれない。

 私ははしゃいで、今回のお花とお団子、何にする? と訊いている。連続もののドラマで、毎回違う花と、違う味のお団子が出てくるらしいのだ。花はいいけどミステリーにお団子って何。それに私たち、キャストなのに選べるのだろうか。たんなる差し入れ?

 今回の花は赤いグラジオラスらしい。
 真澄さんが笑っている。

 彼がダスターコートを着ていて、葦が茂っているので、もしかして一昨日の父を見失う夢の続きなのかもしれないと、起きてから気づく。

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