第75話
文字数 337文字
もう一人、クニイさんというお友だちは、父にすばらしい桃のお菓子を贈ってくださった。(現実)
「本日口にしたスイーツがとても美味に感じ」
「これは是非ミムラさんご夫妻に(父母のこと)召し上がっていただかねばと思いお送りします」
「いっとき少しでもお楽しみいただければ幸いです」
父、ひとくち食べて喜ぶ。
「もういいの?」と母が訊くと、いかにも平気なふりをして
「いまは、やめておく」と言った。
主治医からは、もう、何でも好きなものを食べさせてあげなさいと言われている。
あとで母に聞いたら、「こういうものが、世の中にあるということを、はじめて知った」と言ったそうだ。
それから、「こういうものを、他人に贈ってくれるという人が、世の中にあるということを、はじめて知った」と言ったそうだ。
「本日口にしたスイーツがとても美味に感じ」
「これは是非ミムラさんご夫妻に(父母のこと)召し上がっていただかねばと思いお送りします」
「いっとき少しでもお楽しみいただければ幸いです」
父、ひとくち食べて喜ぶ。
「もういいの?」と母が訊くと、いかにも平気なふりをして
「いまは、やめておく」と言った。
主治医からは、もう、何でも好きなものを食べさせてあげなさいと言われている。
あとで母に聞いたら、「こういうものが、世の中にあるということを、はじめて知った」と言ったそうだ。
それから、「こういうものを、他人に贈ってくれるという人が、世の中にあるということを、はじめて知った」と言ったそうだ。