博士とフランソワ、たまに類くんについて 水瀬そらまめ
文字数 489文字
すごかった。
最後まで読ませていただきました。
そらまめさんにしか書けない純文学。そらまめさんにしか扱えない色使いで描かれた絵画だと思いました。
精神病院という閉ざされた空間の中で、博士にしてもフランソワにしてもリリスにしても、独自の色と世界をもって生きているその姿が大変鮮やかです。
揺れている文末の結び方をどちらかに統一し、二人のリリスがもう少し対比されていると、あるいは、あるいはですが、ステキブンゲイ大賞の四次通過もあり得たのではないかと期待できる出来栄えでした。本当に。
いずれにしてもNOVEL DAYSにこの作品を置いてくださって嬉しいです。
このサイトに読み手のための本棚機能があるなら、同じように精神病棟での出来事を描く成瀬川るるせさんの『ケモノガハラ』と対にして並べておきたい気持ちです。
どうぞ末永く、この作品が愛されますように。