花びらが三枚  Suzugranpa

文字数 520文字

 三つのお話のどれもが、ほっこりと心の温まるものでした。


 この中で、一番のお気に入りは『カーネーションはピンク』です。赤でも、白でもなく、ピンク色のカーネーション。花言葉の意味とともに考えると、彼女たちの優しい思いが溢れる描写に心がくすぐられます。

 トップバッターの『一輪ほどの温かさ』は「青年、頑張れ!」と応援の気持ちに。若干(?)、受験を頑張る動機が不純(?)で短絡的で、でも、そこがまた良くて。桜は何もしていないようでいて、でも実はそっと手を差し伸べている、彼・彼女の思いに応えているかのような描かれかた。これまた読んでいるとくすぐったい気持ちに。大学の敷地内に勝手に桜を植えるのは間違いなくNGですから、きっとあとで怒られたことでしょう。そしてその桜はのちに、二人の家の庭先で毎年きれいに咲き誇るんじゃないかな。そんな未来が見えるようでした。

 最後の『花冠(フローラ)をキミに』は、とても可愛らしいお話でした。カラスの種明かしのシーンでこちらは思わずふふっと笑ってしまいました。みんなが幸せって、素敵です。

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