死にたがり君と殺人鬼君  しう鍋

文字数 1,404文字

孤独な殺人鬼が友達に選んだのは、死にたがりの賞金首だった──!!

友達がいない殺人鬼君は、自分が殺人鬼でも受け入れてくれる友達がほしかった。
ある日、賞金首の近くにいればそれを狙う殺し屋たちと友達になれるのではと考え、8億円の賞金がかけられたターゲットの下へ向かう。
しかし、そのターゲットは殺されたくて自分で自分に賞金をかけた死にたがりだった!!


(「裏サンデー」より)

https://urasunday.com/title/1596

マンガワンって、似たようなテーマやタイトルの作品をまとめて投入することがたまにあると思うんだ。

それが一番如実だったのは「転生・悪役令嬢もの」じゃないかとぼくは思う。

新連載で投入した女子向け作品すべてに「転生」か「悪役令嬢」の文字が入っていたんだよね。あの時はさすがに引いた。

でも実際、あれが昨今の主流なんじゃないのかな、とは思うんだけどね?

男子も女子も、転生が大流行(おおはや)りだねえ。
あとは、「ざまあ」系とか?
まあ、何をもって「ざまあ」とするかはあるけど、外的要因によって環境が変わることで立場が逆転する、ってのが最近は多いような気はする。
主人公が努力して自力で環境を変えていく、というのは流行らないのかな?
どうなんだろうね。自分は紙媒体で発行している作品を読まなくなって久しいから、これが漫画全体の傾向なのか、WEB漫画に特化した傾向なのかはなんともいえないな。

まあ、それはともあれ。

「転生・悪役令嬢」に前後して投入されたのが死や暴力が全面に出てくる作品だった、と、ぼくは思ってる。

「転生・悪役令嬢」のように凝縮してドンと投入されたわけではないけど、この『死にたがり君と殺人鬼君』もしかり、『君に恋する殺人鬼』、『正義の学園』『迎来國』『LIFE MAKER』『アカゴヒガン』……などなど、あれ最近、妙に殺伐としたのが多いな、と思いながらいるうちに、ぼくの「お気に入り」リストが結構えぐいことになっていった。
そのせいか今、なんとなく『家栽の人』が心のオアシス状態になっている気がする。
いやあ、あれはかなり良いね。ドラマ化もされているけど、漫画の方が断然良い。
読後にじんわりとした余韻を残すんだよね。
そうそう。……というわけで、話を戻して『死にたがり君と殺人鬼君』。
懸賞金のかけられた相手を殺しに行ったら、懸賞金をかけた本人でした。
……殺人鬼の少年と、死にたがっている少年。このマリアージュが物語としてどう成立していくのだろうかと序盤からすっごいワクワクした。
懸賞金目当ての暗殺者を撃退していく序盤のシーンがすごく好き。
殺人マシーンなんかは「早くない? こういうのがもう登場しちゃうの?」だった。

いきなりのラスボス感があったよねえ、あれ。

逆に言ってしまうと、そこからの展開も「早くない?」だったんだよね。

殺人鬼君の身体能力と死にたがり君の頭脳がタッグを組んでいろいろ解決していく物語かと思いきや、それとも少し違っていて、意外。

そして、あっけなく最終回になってしまったという。

とにもかくにもストーカー君が死に損な気がしてならぬ……。

食いつくとこ、そこ?

案外ぽわぽわした雰囲気が続くこの作品の中で、あそこだけが本気で理不尽だったと思うんだ。

まあたしかに、ほかはみんな元気にワイワイしているもんなあ。
ともあれ、ぼくはゆきが好き!
メイドをクビになったあとの開き直りっぷりには、笑った。
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