彼女を守る51の方法  古屋兎丸

文字数 1,623文字

2月23日午後7時35分、東京をM8の直下型地震が襲った。平凡な大学生だった三島ジンが、震度7のお台場で遭遇した光景とは!? 衝撃のリアル震災コミック!!


(新潮社HPより引用)

https://www.shinchosha.co.jp/book/771289/

これを読み終えたその日の夜に、福島県沖で地震があったんだよね。

そうそう、最大震度は6強。この辺りは震度4だったけど、それでもびっくりしてしまって。

被害の状況を見るに心が痛む。津波がなかったのは本当に幸いだった。

揺れ方がね……。
怖かった。初期微動の長さも不安だったし、その後の揺れもいつまでもいつまでも揺れが続いていて、まさにあの日の揺れを思い出す揺れ方だったんだ。
思い起こすと、東日本大震災から10年なのか。
あっという間だよ。「もう」という気持ちになる。
まさかの帰宅困難者になったからね、圭さん。
金曜日のことだったし、無理にも帰った先輩はいるんだよ。でも、そんな歩ける靴を履いているわけでもなかったし、職場で一夜を明かした方がいいかなと思って。

夜の間、ずっと揺れ続けたよね。怖かったな。

ネットの報道も、テレビの報道も、悲惨な状況を伝え続けたのもつらかったな。

結果的にこれが原因で休職に追い込まれた人もうちの会社にはいるんだよ。

こういう時に思うのはさ、真面目な人ほど深く傷付くよね、ってことだよ。
……ごめんね。不真面目な人で。
圭さんはたまに、メンタルが豆腐なのか鋼なのかわからなくなる。
鋼の鎧を着た豆腐、なんだと自分では思うけど……。ラスボス感は醸しているけど、バリアを突破されたらヘナチョコに弱い。
まあ、メンタルの方はともあれ、フィジカルの方が圭さんの場合はヘナチョコだから。もやし!

もやし!(笑)

東京直下型の大震災が本当に来て、この漫画に描かれているようなことが起きたら生き残れない自信はある。

とんだ自信……。
場合によっては荒川に沈んでしまうからね……。
通勤途中では巻き込まれたくない。

電車が荒川を渡っているときは本当にドキドキする。……たぶん、ぼくはそういうことを無駄に想像して普段から無意味に恐れているから、それが現実になっても「やはりね」と思ってしまうんだと思う。

平和を生きながら、諦めているんだろう。

つまんないよ、そんな人生は。
でも、ぼくの創造物は往々にしてその悲観から生まれてるんだけど……?

む。

君だって悲観の産物なんだから、感謝しなよ。ぼくのこのネガティブ志向に。

なんだろう。素直に感謝する気になれない。

おいおい。
それはともあれ、この震災想定漫画だけど……。
どうしても、現実に起こった東日本大震災と重ねてしまうよね。少なくとも液状化に関しては、実際のお台場はそうでもなかったんじゃなかったかな、と思うんだよ。
あれは千葉がね。千葉がひどかった。

うん。浦安、習志野。さもあらんと思っていたエリアは見事に液状化したよね。

あの揺れ以上のものが来た時にはお台場も危ないのかもしれないけど、少なくとも千葉のベイエリアが確実に壊滅することがあれで判明してしまった。

それ以外の描写は?

あるかもな、としか正直思えない。実際に起こってみないと検証はできないんだよ。そして、できることなら起きてほしくはないわけだ。

でも、これを読む価値はとても大きい。一読をお薦めしたい。

あるかも、を知っていることって大事なんだよね。

リスクを知っていれば回避の道もある、というやつ。

何かが起きた時、自分を守れるのは自分しかいないんだから。「誰かが(何かが)守ってくれる」という考え方をまずは捨てないとね。

正直それは、今のコロナ禍においてもそのはずなのだと思うのだけど……。

ちょっと話をそらしちゃうけど、序盤の観覧車で二人が会話しているシーンがグラッときちゃうんだな。

うん。「どう生きるか」って難しいよね。

正解がないもん。不正解もないんだけど。

結局は正しいと信じたとおりに、ぼくらは不器用なまま生きるしかないんだな。

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