たとえ世界に背いても 長江朋美
文字数 1,194文字
初恋の彼が、総理である父親のSPになったと知り、実家に戻ってきた夕子。彼に「処女をもらって!」と体当たりで挑むが相手にされないうえに、秘書官との婚約を迫られ…!?
(マンガParkより)
展開的には早かったよね。作品的には面白かったから、「ん?」と思えど目を瞑った。
目を瞑ったと言えば、「女は半歩下がって男の後ろをついて歩け」系なんだよねえ、これ。作品の面白さを損なうわけではないけど、「ヒロインが立候補して政治家になる」という選択肢が微塵も出てこないことにモヤモヤを感じてしまう。
「跡を継ぐ」の意味が「結婚して政治家になる夫を立てる」だったからねえ……。第1巻が2009年出版ということを考えると、この「家」的な考え方には時代遅れ感がどうしても漂う。
先日も話題にしたけどLGBT。どうしてこの言葉が現代社会で流行りのキーワードになっているかといえば、「性 」の価値観の多様性を認めよう、と、人間社会が一歩先の世界に進もうと藻掻いているからでもあり、「女はこうあれ」「これが女の幸せ」「男なら……」という生き方への拘束から人類を解き放とうとしているからでもあるわけじゃない?
しかし、難しいのは「性 」を解き放とうというこの運動が、旧来の幸福価値を否定しねないヒステリックさを伴いつつある、ということもでもあるんだよね。
「夫を立てて生きる」ことが幸せな女性も、いるんだってこと。
理想的なのは数ある選択の中から選べる自由があることなんだよね。
まあ、そういうことを考えても「それしか選択がない」このヒロインの「後継者問題」は、問題があるとは、思うんだよ……。
ん?
いやほんと、本人が父親の跡を継いで政治家になればいいよね?(笑)
あの葛藤の瞬間に「じゃあ、あなたが立候補されては」があっても確かによかったとは思うけど、それをしたらストーリーは続かない気もする……。
まあこれは基本、イケメン見て「かっこいいな♡」と思う漫画だからさ(笑)