3インチ 多口はじめ
文字数 2,361文字
日本人留学生「
そんな大和はアメリカで数少ない友人「クリス」に年越しホームパーティへと誘われ、しぶしぶ、内心楽しみに感じつつ、パーティに参加。
そこで出会った可愛い「エマ」、変だけど物知りな「ロラン」と共に楽しく過ごしていたその時、
・・・・・・ブツンッ——
大和の意識が途切れる。
(「裏サンデー」より)
最悪。猫、最悪。
……実際、猫ってあそこまでなんでもかんでも噛み殺してしてしまうものかな?
ちょっとね、あの描写はやりすぎって気はしなくもない。
いやあ……。あれはロランの知識がなかったら早々に全滅だったはず。
猫や虫から逃げ回って、ロランに合流してからではなかったかな。
? 忘れてしまったのは連載が長かったせいなの?
……いや。
本来の人間のキャパを超えたジャンプ。体が縮めばそのくらいは誰もができるっぽい感じだったけど、むしろその後、その設定が活かされてる感じがなかったことにぼくはツッコミいれたいね。
あと、微妙にヤマトだけがハイスペックでズルかったよね?
そんなことは、あったっけ? 最後までヤマトは剣士だったよ?
そしてラストは宿敵カマキリとの一騎打ち。勝負!
まあ、そうなんだけどさ。ラストのラストでついに出てきたか、昆虫界のラスボス! って感じでねえ。読んでてこの話、最期までヒリヒリだった。
序盤の猫と虫。そして屋外に出てからの……人間。
あんのくっそガキ……(笑) 何度、紙面に飛び込んでぶん殴ってやりたいと思ったか。
人間の子供との前後関係は忘れてしまったが、排水溝で出くわした大量のネズミとゴキブリも印象に強く残っているよ。
虫そのものがそれほど得意じゃなし、ゴキブリなんて断固ムリだから! 生理的に、無理だから!
ふぇええ! 不潔! 猫、不潔!
……他に出てきた危険生物って何があったっけ?
でもやっぱり、一番の危険生物は人間ということになるんだろうな。
それは子供から逃げ切った後に出会ったチビ人間たちのエピソードだね。なんだか、あの最期は哀れでもあったけど。
一番あってほしくない、展開だった、あれは。でも、消去法的にも彼しかいないと思っていたよ。
(そこ、あんまりツッコむとストーリーが破綻するって! 正直クローンが死んだら本体が死ぬ設定だってツッコミ入れたいもん! スマホがあの状態で落ちてたこととかさ!)
なんとなく研究所の中で冷凍保存されてそう。下手に捨てたらバレそうだし。
そんなこんなで最後は無事に元の大きさに戻れるヤマトたちなんだけど、最終回についてはこれでよかったような、悪かったようなな気持ちで実はすっきりしていない。
日本でいうところの三途の川的な場所を渡ったくさいあの描写で、果たして彼の蘇りがあるのかどうか。でも、ヤマトの奮闘をあそこまで描いたからには蘇ってほしい気持ちもあって複雑なんだ。
でも、クリス本人について思うなら、あのまま死んだ方が彼のためな気もするんだよ?
人間の「心」って難しいな。
夏目漱石が「自己の心を捕えんと欲する人々に、人間の心を捕え得たるこの……」なーんて言ったのも、今やすっかり古臭くなってしまった。
そのうち、人の心理を「型」に嵌めること自体がナンセンスになるかもね。
ないのかい(笑)