侵略好意 犬背九二郎
文字数 1,855文字
度重なる転校、母の蒸発、父との死別…
家でも高校でも独りのイソラに、宇宙規模の出会いが訪れる。
エゴノミミと名乗る宇宙生物との出会いで、心満たされるイソラだが…
もう“普通”には戻れない――
(裏サンデーHPより引用)
……確かにそんな主人公が目立っていた時期があった気がする。
白状すると、『あなたの鼓動を見させて』は途中で心が折れた。ちょっと自分の常識というか、良識というか、これまでに自分が培ってきた物差しがそこまで伸びていかなかった。
『夜人』の方は……この先どうなってしまうのか、心配しかない。
そういえば、年末に連載が始まった『死にたがり君と殺人鬼君』もメンヘラ系主人公ってことでいいのかな?
だって、最近の圭さんは平然と読むの辞めるようになったでしょ?。
今までは、一度読んだものはどんなにつまんなくても完結まで読んでいたのにね。
ちょっと無理かな、の瞬間にぽいっと切るの、あれ、良くないと思うよ?
……仕方ないよ。心に響かなくなってきたんだから。
もちろんマンガワンが悪いわけじゃないし、作品が悪いわけでもないんだよ。
ただ自分が、心から「次が楽しみ」と思えない作品は読んでいても時間の無駄かもと感じるようになってきたんだよねえ。
増えたわけじゃないよ。もとから読まないんだよ。タイトルや内容が一定の条件を満たした場合は、意地でも読まないと決めているんだ。そして、最近その条件に合致してしまう作品が増えたんだ。
まあ要するに、ぼくは最近の安直なトレンドに「否」と言いたいの。それだけ。ぼく一人が「否」と言ったところでこのトレンドが大きく流れを変えることはないとわかっているけど、それでも「否」と言いたいの。だから意地でも、読まない。最初から入り口にも立たない。
って、また脱線してるよ!
……って言うと多くの人に誤解を与えそう。まあ、なんかちょっと、ヘンなんだよね。
彼らが地球人、厳密に言うと作家の出身国の人たちが広く一般的に備えた感性と同じか、否か。
まあ、「仲良くなれる条件」という理由付けを主役のズレに絡めたってところがポイント高いよね。作中の登場人物たちも、読者であるぼくたちも、イソラの突飛さに「ええええ?w」と思いながらも、彼女がそれをどう乗り越えていくのかに注目してしまう。
そして、テーマがわかりやすく「友達」ってところが良かった。
まさに。
イソラとの絆の強さみたいなものが終盤ではビンビンしていて、微笑ましかった。
最初からハッピーエンドしかありえない物語だと思っていたけど、ちゃんと大団円で終わってほっとしたよ。