侵略好意  犬背九二郎

文字数 1,855文字

度重なる転校、母の蒸発、父との死別…

家でも高校でも独りのイソラに、宇宙規模の出会いが訪れる。


エゴノミミと名乗る宇宙生物との出会いで、心満たされるイソラだが…


もう“普通”には戻れない――


(裏サンデーHPより引用)

https://urasunday.com/title/1131

マンガワンのラインナップ、メンヘラな主人公が多いと感じた時期があるんだ。

……確かにそんな主人公が目立っていた時期があった気がする。

まあ、ざーっと流れていって、最終的に記憶に残っているのは『夜人』と『あなたの鼓動を見させて』、だけなんだけどね。

白状すると、『あなたの鼓動を見させて』は途中で心が折れた。ちょっと自分の常識というか、良識というか、これまでに自分が培ってきた物差しがそこまで伸びていかなかった。

『夜人』の方は……この先どうなってしまうのか、心配しかない。

そういえば、年末に連載が始まった『死にたがり君と殺人鬼君』もメンヘラ系主人公ってことでいいのかな?

『死にたがり君と殺人鬼君』は、次の更新を圭さんが楽しみにしているという意味でぼくも連載を全力で応援している。
……へ? どういう意味?

だって、最近の圭さんは平然と読むの辞めるようになったでしょ?。

今までは、一度読んだものはどんなにつまんなくても完結まで読んでいたのにね。

ちょっと無理かな、の瞬間にぽいっと切るの、あれ、良くないと思うよ?

……仕方ないよ。心に響かなくなってきたんだから。

もちろんマンガワンが悪いわけじゃないし、作品が悪いわけでもないんだよ。

ただ自分が、心から「次が楽しみ」と思えない作品は読んでいても時間の無駄かもと感じるようになってきたんだよねえ。

それで、ここひと月の間にああもザクザクと「お気に入り」登録を切ったって?
案外、未練はなかったねー・・・。
そんな風に気軽な気持ちで切られた作品さんたちから呪いの手紙が届くように、いっそここで作品名を公表したいくらいだよ。
やめなさい! そんなのいらない!
最近は、タイトルの段階でぽいっとする作品も増えたよね?

増えたわけじゃないよ。もとから読まないんだよ。タイトルや内容が一定の条件を満たした場合は、意地でも読まないと決めているんだ。そして、最近その条件に合致してしまう作品が増えたんだ。

……意地?

まあ要するに、ぼくは最近の安直なトレンドに「否」と言いたいの。それだけ。ぼく一人が「否」と言ったところでこのトレンドが大きく流れを変えることはないとわかっているけど、それでも「否」と言いたいの。だから意地でも、読まない。最初から入り口にも立たない。

って、また脱線してるよ!

おおっとしまった。

それでは本題の『侵略好意』。宇宙人が地球を侵略する系な物語。

……って言うと多くの人に誤解を与えそう。まあ、なんかちょっと、ヘンなんだよね。

主人公が超ど級の不思議ちゃんだからね(笑)
そもそも宇宙人……「地球外の知的生命体」が登場する作品の場合、彼らの感性をどう描くかで作品の雰囲気は二極化すると思うんだ。
感性?

彼らが地球人、厳密に言うと作家の出身国の人たちが広く一般的に備えた感性と同じか、否か。

でも、宇宙人がぼくら地球の感性を持ち合わせているかと言ったら、そんなわけはないはずだよね?
そんなわけないとなると、その差異、そのズレに焦点が当たった作品に仕上がっていくんじゃない?
言われてみたら、そうか。
ところがこの『侵略好意』はさ、主人公が驚きの不思議ちゃんのせいでむしろ宇宙人の感覚の方が「普通」に見えるというところが面白い。
感覚のズレを逆手に取ったってこと?

まあ、「仲良くなれる条件」という理由付けを主役のズレに絡めたってところがポイント高いよね。作中の登場人物たちも、読者であるぼくたちも、イソラの突飛さに「ええええ?w」と思いながらも、彼女がそれをどう乗り越えていくのかに注目してしまう。

そして、テーマがわかりやすく「友達」ってところが良かった。

それにしても主人公、ズレてるくせにズレたなりの正鵠を得ていると思うんだ。

友人宅に押しかけての唐揚げのシーンとか、まあ他にも色々。

そこが物語を嫌味に流さず、読者を疲れさせないポイントでもあったと思う。あと、エゴノミミは可愛い!
ラストでエゴノミミがしょんぼりしているところはどうしようもなくキュンと来た!

まさに。

イソラとの絆の強さみたいなものが終盤ではビンビンしていて、微笑ましかった。

最初からハッピーエンドしかありえない物語だと思っていたけど、ちゃんと大団円で終わってほっとしたよ。

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