いとま申して 『童話』の人びと  北村薫

文字数 647文字

亡き父の残した「日記」をベースに、当時の『童話』を巡る人々の生き様を描いた記録的エッセイ
そもそもエッセイなんて、どうして選んじゃった?

圭さん、エッセイとかノンフィクションは苦手でしょ?

エッセイだとは思わなかったんだよ……(震え声)


でも、読み始めたらこれがなかなか面白くて、一気に最後まで読んでしまった。(しかも続きがあるっぽく、今度入手出来たらまた読むつもり)

作者の描き方なのか、そもそもそのお父さんにユーモアがあるのか、って感じだよね?
まさにね。

テストでヒーヒーいっているところとか、大嫌いな数学に対して……文面を思い出してもニヤニヤと笑ってしまう。


それに対する、息子(作者)の適格なツッコミがまた冴えてて良い。人柄が滲んでる。

『童話』とは?
当時存在していた定期刊行誌のこと。


この『童話』に寄稿して夢を追いかけた少年少女たち、編集側の人間たち、彼らのその後なんかも追いかけていて、当時の雰囲気を知る記録としてもこれはよく出来上がっている。


ひとりひとり名前は上げないけれども、知っている名前の多く出てくること。文学史に名を刻んだ人々の足跡を感じられる。

中学時代のエピソードも面白いよね?
中学時代に夢中になった映画や、大学の予科時代に覚えた歌舞伎のことにもかなり詳しく言及されている。


芸術肌の父親の生活を描き、当時の、彼を取りまいた人々のこともみっちりと取材したのを感じる。家族や親族のことにしてもそう。


読めばわかる。すごい人たちが出てくる。

して、圭さんの評価は?
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