トリガー 原作:板倉俊之 作画:武村勇治
文字数 1,384文字
人気コンビ・インパルスの板倉俊之が書いたハードアクション小説をコミック化! 近未来、射殺許可法が制定された日本で、各県に1人ずつ選ばれる「トリガー」たち。それぞれの信念に従い、≪悪≫と判断したターゲットに、彼らは弾丸を撃ち込む! 「国王」編、東京、千葉、静岡の「トリガー」編を完全収録。
(マンガParkより引用)
かといって、『翔んで埼玉』のような飛びきった扱いしてくれる作家も出てこない。
『木更津キャッツアイ』は特に千葉らしさがあるわけでなく、あれが埼玉でも神奈川でもいいんじゃないかな感がある。
……否定できないところが辛い(汗
東京のようなファーストランナーになることもなく、神奈川のようなブランドが確立されているわけでもない、埼玉のように東京の隣接エリアとしての不動のポジションを持つわけでなく、都会レベルがどっこいどっこいな茨城には歴史や自然で大きく差を付けられている。
それが、千葉。それこそが、千葉。
前に高校の友人と房総をドライブしたことがあるんだけど、その時に「何をやっても中途半端」「都会にもなれず、田舎にもなれない」「とにかく緩い」「緩すぎる!」「たるんどる!」……で、意見が一致した。
千葉県民は、自県に対する評価が低いことも特徴でな。
「興味深い」は「興味深い」。
射殺許可法の制定と同時に各都道府県に1名ずつ配置されたトリガー。
彼らがどのように引き金を引くか、というそれぞれの「想定」を形にしているという点で、作品として興味深い。
撃つ側も、撃たれる側も、そしてその周囲の人間たちも、「きっとこうなる」という「想定」の上できちんと動ききったかな、というのはある。
自らが生み出したハードボイルドの波に自分で溺れていないかなあ?
こっちで勝手に期待値を高くしすぎたのもあるかもしれないけど、なんとなく思っていたより「普通」だったんだよねえ……。
死んで終わりで良かったと思うんだよ。自らが作り出したトリガー制度で自らが身を滅ぼす。それでよかったと思うんだ。
三上との関係の意外性には確かに驚くけど、伏線ならもう少し何かが欲しかった。
まあ、自分がこういう発想で物語を紡げるかと言ったら紡げないし、生意気言っている自覚はあるんだけどねえ……。