陽炎ノ辻 居眠り磐音江戸双紙 1 佐伯泰英
文字数 1,974文字
なにやら陰謀の予感……。
……あ、でも、その会話の前後で多産型作家の話をした。気がする。
赤川次郎は共同ペンネームで、実は中に人が10人くらいいるんじゃないのとか、そんな会話。
ググったら山本耕史の写真が出てきて、知ってるかもしれない、となった。もちろん観ちゃいないんだが。
寝っ転がりながらも読めるし、たった1行だけでも読める。
読み始めも読み終わらせるタイミングも、読むスピードだって自分の都合でいい。
ヘタすりゃ読み飛ばすのも自由だし、読み戻るのも簡単なのが小説ってやつだよ。
(ただし、電子書籍ではこのあたりの良さの一部が死につつあるけどね)
それに比べて、映像はそうはいかないから基本的に嫌いなんだ。
作成者の作った間合いで、役者の喋るスピードで、始まる時間も終わる時間も強制的に鑑賞者の方が合わせないといけない。本のように隙間で楽しむ、ということはできないんだよね。
それに、間合いが自分の呼吸と合わないと観ていて疲れるんだ、基本的に。
絵が動く、音がある、という付加情報を付ける代わりに同じ時間で得ることのできる言葉としての情報は格段に落ちるのも映像の欠点だよね?
映像になった時に、「このビジュアル違う! この声違う!」となるのも、自分の中に理想の世界を作り上げることができるからこそ、なんだよ?
ってか、脱線したから元に戻っていい?
現実に人間は思う以上に論理的でも理知的でもなく、むしろ驚きあきれるほどに浅はかであるということはこのコロナ騒動を見ていても自明の通りなわけだけど、坂崎磐音の友人たちがソッチ側の行動を取るかどうかはなんというか、もう少し何かがあっても良かったかな、とは感じる。
でも、このエピソードがないと磐音が江戸に流れ着いて貧乏長屋暮らしを始めない、よ?
この本も『万波を翔る』も、交換レートで頭悩ませるところが似ていて面白いと思うな。
凄い剣客がいて、お上と結託した悪者がいて、痛快に成敗していければこの手の時代物は基本楽しめる。
磐音はおこんと結婚するのかな?
予想だけど、この展開だと奈緒はどっかの女郎屋にいるんだと思ってる。行方が分からないなんてそんな理由だと思うんだよね。
……ああ、もしやそれを身請けする話になる……のか?