ミラート年代記2 タリンの秘密  ラルフ・イーザウ/酒寄進一(訳)

文字数 1,230文字

 裏切り者ウィンカデルを倒し、新王となったエルギルとトウィクス。だが、ミラート世界にかけられた悪神マゴスの呪いはまだ解かれていなかった。復活を期した悪神マゴスは、失われた魔剣「悲痛」を狙う。さまざまな罠をかいくぐり、敵を追跡するエルギルたち。ついに彼らはキトラ山上で、魔神マゴスと対決する。しかしそこにはワグ族の大軍団が待ち構えていた。


(あすなろ書房より引用)

http://www.asunaroshobo.co.jp/home/series/mirad/

2巻でショックなことが2つ起きた。
トゥイクスと……ファルゴンのことだよね。いや、これはぼくもショックだった。
ファルゴンは前作で一度死んで、そして蘇っているだけにまさかここで! まさか! と。
でもぼくはショックから立ち直った後で、一度死んでいるからこそ再び死なねばならなかったのかもしれない……と、思い直すことにしたよ。
? 死んでいるからこそ?
死を覆すことは許されていないんじゃないか? それは神でさえ許されない行為なのでは、と。
じゃあ、双子は禁忌を犯したっていうの?
そこまでいうつもりはないんだけどさ。……でも、二度目の蘇生にはムーリアが反対するでしょ?
死んでから時間が経てば経つほど世界への影響が大きくなるって、彼女は言っていたね?

この物語では「ひだ」と表現されるけど、織物(歴史模様)に例えた『時の車輪』もも糸(人間)を無理やり世界から抜き取ることの危険性を何度も諭すし、作家その人が「死」を覆すことを良しとしていなかったのかな、とも思うんだよね。

なーんて言って、3巻でガツガツと人間が蘇ったらどうしようか。
その時は、笑うしかないが。
蘇ると言えば、ファルゴンが去って、生き戻った人間がいるよね。
言われてみれば彼は「死んだ」とはされていなくて、ずーっとずーっと「行方不明」扱いではあったんだよね。しかしここで復活するか、という驚きはすごい。
ムーリアにとっては複雑だよね。結果的に二人の男を愛した彼女は、その感情にこれからどう折り合いを付けていくのだろう。
そういう意味では、3巻で二人の関係のなんらかがあると、期待してもいいのかな。
ニシコ姫との今後もね?
うーむ。双子の恋愛事情は複雑になりそうって前作読んだ時に思っていたけど、こんな解決の仕方になるなんて、思いもしなかったんだよなあ。。。。
でも、トゥイクスが去ってエルギルが残ったのは理想的だったかもしれないよ?
ん?
トゥイクスは有事の王、エルギルは平時の王というイメージ、ない?

確かにある、ね。

でも、2巻の終了時点で世界に平和が訪れたのかというとそうでもないからもどかしいが。

倒したのはマゴスの影に過ぎず、魔剣悲痛も滅されてはなく、エルギルに対するカグアンの恨みは深い。
いろんな意味で2巻は中途半端。1巻読んだ時はここで止めてもいいかと思っていたけど、ここまで読んだら3巻は是が非でも読むしかないもんな。
作者の術中に見事にはまりこんでやんの!
ふえぇん(汗
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