龍天ノ門 居眠り磐音(五)  佐伯泰英

文字数 1,765文字

累計2000万部の人気時代小説シリーズ「居眠り磐音」〈決定版〉

5巻「龍天ノ門」では、おこんに危険が迫ります。

おこんの慰労のために訪れた紅葉狩りでは、
狼藉を働く直参旗本に出くわし、
おこんが今津屋の女中だと知った旗本たちは
江戸市中に戻った後にも難癖をつけにやってきます。

さらに、狐火見物に出掛けた先でも、
おこんに災難が!
必死で探す磐音たち。
ページをめくる手が止まらなくなります。

果たして、おこんは無事なのか!?


(「文藝春秋BOOKS」より)

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/1679126000000000000Q

……何? どうしたの? わざわざサイトのスクショまで張り付けて……。
いや、いつものとおり文藝春秋のサイトの宣伝文句をそのまま引用させてもらったのだけど、ぼくが読んだ『龍天ノ門』とはずいぶんと内容が違うと思ってね。
……あれ、そういえば!

『龍天ノ門』は紅葉狩りどころか、正月の話だよね。

間違うにしても盛大すぎて、ニヤニヤしている。
指摘してあげなよ。
そういうお節介は、もうしないと決めたんだ。過去、外野のくせにめんどくさい反応した人がいたからさ。
まあ、確かに、そんなこともあったよね。

スクショ貼ったのは、ぼくが指摘せずともいずれは運営側で気付いでサイトの文言を直すだろうし、その時にはぼくの引用文がおかしくなるからね。


さてさて、気を取り直して『龍天ノ門』。

1巻『陽炎ノ辻』を読んだ時から思っていたことをこの巻になってから言うのもなんだけど、この人も量産系小説家アルアルであまり文章を推敲していないんだろうな、と思いつつの読書になった。

量産系小説家と言ったらレッドなあの方が筆頭だけど……。

その量産系小説家の横には括弧書きで(汎用タイプ)と補足したい(笑)

正直、テンプレって言葉はあの人のために用意されていると思うんだ。作品は安定して面白いんだけど、読み捨てされることを大前提にしているから記憶にもあまり残らない。

でも、あの小説家も初期作品群は違うと思うのよ?

そのせいで、あの作家の本をお勧めしようと思うとどうしても初期作品群から選ぶことになる。

もっとも、あそこでエンジンふかしきって、あとは慣性の法則で車輪を転がし続けているのがすごいのだよ、あの作家は。推理からファンタジーからティーンズ向けまで何でもござれってところも凄まじいレベル。

確かにね。
とはいえ、量産系作家の作品に「文章の美しさを求めるな」と言われれば「ごもっとも」……と、返すしかなくなるので、それはそれとして、話を戻して『龍天ノ門』。


正月早々血なまぐさい。

今回、「坂崎様のまわりは……」というツッコミをけっこうな人がしていたような?(笑

連作長編の宿命みたいなもんだよね、それ。

『金田一少年の事件簿』しかり、『名探偵コナン』しかり、「死が集まる」と言われるようになれば主人公としては一人前!(笑)

『金田一少年の事件簿』に関しては友人知人が普通に事件に巻き込まれるし、ハジメちゃんには正直近寄りたくない。
佐木1号を殺してしまったのは予定どおりだったろうが、使い勝手のいい駒を殺したと作者たちが後悔した結果が佐木2号なのでは……と、ぼくは邪推している(笑)
まあともあれ、『龍天ノ門』。

新任の江戸家老が今後何かしでかしてくれるのだろうかとワクワクしている。

わざわざ磐音の父親が推してきたくらいの人物なのに、今のところ暗愚に過ぎるのが気になるね。
世間を知らなすぎる、という面があるようだけど。
果たしてこのあと花開くのか、それとも、このまま藩財政の立て直しの足手まといになってしまうのか。
借金地獄の藩だし、ちょっと心配
今回は、磐音が借金の担保にされたのが一番笑ったけどな?
彼に二千五百両の価値が付いた。
金額だけなら、簡単に奈緒を超えてしまったね。
その奈緒はとうとう吉原に。
磐音は磐音で『生涯、妻を娶らぬ』と誓ってしまったようだが、そうなるとおこんの立つ瀬がない。
割と初期から、読者は彼女の気持ちに気付いているからねえ。
「女はそんな男がたまらなく愛おしいのよね」には、磐音の鈍感さに思わずツッコミ入れたよ(笑)
察してあげてよとは思うけど、今はまだ磐音もそれどころじゃないし、二人の関係が今後変わるか変わらないかは、そのうちわかるのかな?
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