ディア マイン 高尾滋
文字数 1,349文字
高校生の咲十子 は、母と二人で慎ましく暮らす優しくてちょっとドジな女の子。ところがある日、母が連帯保証人になっていた会社が倒産! 一億円もの借金を肩代わりしてくれた救世主・和久寺風茉 は、親同士が勝手に決めた咲十子の許婚で…!?
(「マンガPark」より引用)
あの作品、あまりの面白さに夢中になって読んでいた時期がある。
でも、ちょっとした多忙の時期に続きを読めずにいたら……あろうことかどこまで読んだのかが記憶から抜け落ちしていまい、結果そのままドロップアウトしてしまったんだよな。
うう。ニケが攫われて、リビが追跡しているあたりで止まっているはずなんだが。
そうなんだよね。近いうちに読まねばと思っている。
母親の借金を肩代わりしてくれた超金持ちの少年が、実は自分の婚約者だった、というびっくり仰天な歳の差ラブストーリー。
展開の拙速さと浅さが若干気にはなるが……。
総じて少年の少年らしい憎らしさと、そうはいってもな子供らしさ、さはさりながら少年らしさを封印せねばならない苦悩。少年に権力を持たせた形の恋愛物語はこのパターンをおさえてきてくれないと面白くない。
『それでも世界は美しい』に少年らしさがあるかないかは少々議論の余地がありそう思うが、『ディア マイン』についてはいい塩梅でひねくれていたと思うよ。リアルな人間模様に近いと思う。
むしろそのパターンにハマってくれないと、ドロドロ展開になるし、下手したらそれ、主じゃなくて脇の設定に追いやられる。
『ディア マイン』に関しては、大人ぶっておきながら、実際には咲十子の方にもかなりの幼い部分があってね、そういうバランスのとられ方が安定感を作品に与えていたと思う。
欲を言うなら、咲十子が一族から受ける蔑み誹りをもう少しガッツリ描いてほしかったのだが、そこを表現してしまうとやはりドロドロ展開になるだろうし、この程度の描写にとどめておくのがベストなのだろうな。
そうかもねえ。
少年誌では性表現が描き切れんで大人向けの雑誌に連載を引っ越してしまった作家もいるらしいし。
とはいえこれは聞いた話なのだが、昨今の少女誌はなかなかに破廉恥らしいぞ?
まあ、この目で見たわけではないからそれ以上のことはなんとも言えないが。